ソ・ジソブが放った「ごめん、愛してる」?『キム部長』名シーン誕生の秘話
俳優ソ・ジソブが語る、ドラマ『キム部長』のアクションシーンに込められた感情と名場面の裏側。撮影現場でのアドリブや家族の絆を描いたメッセージを詳しくお届けします。
俳優ソ・ジソブがチュ・サンウクに思いがけない告白をした。「ごめん、愛してる」。

聞き馴染みのあるフレーズだが、今回はメロドラマではなく、アクションシーンの現場で飛び出したジョークだった。しかし、その短い一言には、一つのシーンを完成させるために体を投げ出した俳優たちの努力と、作品への愛情がそのまま込められていた。
8月1日に放送されたSBSスペシャル番組『キム部長 ザ・ユニバース』第2部では、本編では描ききれなかったキャラクターたちの隠された物語と、撮影現場のビハインドが公開された。特に、ソ・ジソブとチュ・サンウクが共演した強烈なアクションシーンの裏話が明かされ、視聴者の関心を集めた。
この日、チュ・サンウクは劇中のキム部長(ソ・ジソブ)とチュ・ガンチャンの対立シーンを回想し、「あの日は一生忘れることができない日」と語った。これに対し、ソ・ジソブは「僕がたくさん殴ったから。殴られるべきことをしたんだから」と冗談を飛ばして笑いを誘った。
しかし、笑いの裏には俳優たちの過酷な撮影プロセスがあった。チュ・サンウクは「自分がうまく殴られていると思った。でも、何度撮っても半分も当たっていなかった」とし、「一体いつまで殴られ続ければ撮影現場を一周できるのかと思った」と当時の苦労を打ち明けた。
これに対し、ソ・ジソブは「あんなにアクションで殴られたことはなかったと言っていた」と振り返り、チュ・サンウクに向かって「ごめん、愛してる」と言い放ち、現場を爆笑させた。
単なる冗談のように聞こえるが、このシーンは『キム部長』が持つアクションの方向性を示す瞬間だった。暴力の強度を誇示するアクションではなく、登場人物間の感情と物語が衝突する過程で生まれるアクションだったという点だ。殴る・殴られるという行為よりも重要なのは、「なぜ戦うのか」という説得力であり、俳優たちはその感情を体で表現したのだ。
■「血まみれになって再会した」…俳優たちも驚いたアクション名シーン
この日共演した俳優のチェ・デフンとユン・ギョンホも、当時の撮影現場の雰囲気を伝えた。
二人は「読み合わせの日にチュ・サンウク俳優に一度会って、撮影現場でまた会うことがあれば明るく挨拶しようと言ったのだが、その後に再会したのがあの日だった」とし、「血まみれの状態でお互いに挨拶をした」と明かして笑いを誘った。
特に、チュ・サンウクが「自分はこれがこういうドラマだとは思わなかった」と語ったエピソードは、『キム部長』の強烈なアクションの色合いを象徴している。
しかし、単に強いアクションだけで良いシーンが作られるわけではない。イ・スンヨンPDは、俳優たちのアドリブと没入感を高く評価した。
彼は「台本を正確に理解した上で、その方向性の範囲内で隙間を埋めるアドリブだった」とし、「レベルが違うアドリブをする俳優たちだ」と称賛した。
続けてソ・ジソブについては「アクションに天性の感覚がある。ゆっくり動いても様になり、習得が早い」と評価し、チェ・デフンについては「ものすごい努力家な俳優」と説明した。
■「メガネをかけたおじさんは、いじらないでおこう」…『キム部長』が込めた最も現実的なメッセージ
ユン・ギョンホは、ナム室長とパク・ジンチョルの格闘シーンに隠された意味を公開した。
彼が提案したアドリブは、「メガネをかけたおじさんは、いじらないでおこう」というセリフだった。
ユン・ギョンホは「最初の焼肉屋のシーンで、私たちが堪えようとしていた言葉が『僕たちはただのメガネをかけたおじさんだ』だった」とし、「その言葉には多くのイメージが込められていると考えた」と説明した。
続けて「外見は平凡に見えるが、決して侮ってはならない存在だという解放感を与えたかった」とし、「監督も喜んでくださり、私たちのドラマを貫くセリフになった」と明かした。
これは『キム部長』という作品が、単なる復讐劇やアクション物ではなく、平凡な一家の主や父親が持つ内面の強さを物語る作品であることを示している。
見た目は会社員であり、家族のために耐えて生きている中年男性だが、誰かの父親であり、一人の人間として持つ尊厳は簡単に崩すことはできないというメッセージだ。
■ソ・ジソブが選んだ最高のシーン…「ミンジや、パパが来たぞ」
俳優たちが選んだ名シーンも公開された。
ミンジ役のソ・スミンは、「ミンジや、パパが来たぞ、家に帰ろう」というシーンを最高の瞬間として挙げた。
彼女は「私のお父さんですが、あまりにかっこよすぎて何度も見返した」と語った。
これに対し、ソ・ジソブも当該シーンを好きなシーンの一つとして挙げ、「同じシーンを選んだと言うと、何かが通じ合ったようで不思議な気分だ」と語った。
ユン・ギョンホは、キム部長とミンジの最後の食事シーンを選択した。特にミンジが口にした「ゆっくり食べて」という一言が深い響きを与えたと説明した。
驚くべきことに、ソ・ジソブはそのセリフがソ・スミンのアドリブであったことを明かし、一同を驚かせた。
短いセリフだったが、その中には長い時間お互いを頼りにしてきた父娘の関係と、別れを前にした名残惜しさが込められていた。
■『キム部長』が残したのはアクションではなく、家族の意味
イ・スンヨンPDは最後に、俳優たちとスタッフへ感謝の気持ちを伝えた。
彼は「良い演技は瞬間の没入感から生まれる。一つのシーンを撮影するために10個ほどの角度から繰り返し演技するのは容易ではないが、全員が良いシーンのために協力してくれたからこそ可能だった」と述べた。
『キム部長』は華やかなアクションと緊張感あふれる物語で愛されたが、結局視聴者の心を動かしたのは、その中に込められた「家族」という普遍的な感情だった。
ソ・ジソブが演じたキム部長は、世の中のすべての平凡な父親を象徴していた。黙々と耐え、時には崩れ、結局は家族のために再び立ち上がる人。
だからこそ、最後のメッセージは作品の核心を正確に突いていた。
「世の中のすべてのお父さんたちと家族たちを応援する。そして、娘たちは実は、お父さんのことが本当に大好きなんだ。」
『キム部長 ザ・ユニバース』は、アクションの裏に隠された俳優たちの汗と、一本のドラマが結局は人と家族の物語として完成するという事実を、改めて見せてくれた。