イ・スンギ、サイの代表曲「父」の意外な真実を告白「元々は僕の曲だった」
歌手兼俳優のイ・スンギが、サイの代表曲として知られる「父」に隠された秘話を公開。二児の父となった現在、デビュー当時の楽曲を再び歌う心境を語りました。
歌手兼俳優のイ・スンギが、サイの代表曲として広く知られる「父」にまつわる意外な秘話を明かした。現在はサイの歌唱で親しまれている楽曲だが、その出発点は20数年前のイ・スンギのデビューアルバムだった。さらに意味深いのは、当時高校生だったイ・スンギがこの曲と初めて出会い、二児の父となった現在、再びこの歌を歌うことで感情が込み上げたという点だ。

去る19日に放送されたKBS2『Immortal Songs』第774回「2026 NEW WAVE Festival in 蔚山」の第2部にて、イ・スンギはラッパーのMad Clownと共に「父」を披露した。バラードの感性とラップを組み合わせた編曲で原曲とは異なる色彩を生み出したなか、ステージに先立ち、曲の誕生過程に関するエピソードを語り注目を集めた。
イ・スンギは「元々は僕の1stアルバムの収録曲だった」とし、「サイ兄さんが、僕が高校生だった時に初めてこの曲をくださった」と明かした。その後、サイが自ら歌ったことで自身の声でも愛される楽曲になったと説明。大衆にはサイの歌という認識が強いが、イ・スンギの音楽人生においてはデビュー当初から共に歩んできた重要な楽曲だったのだ。
実際に「父」は、イ・スンギが2004年6月に発表した正規1集『蛾の夢』に収録されている。当時のアルバムには『僕の女だから』や『削除』など、イ・スンギの初期の代表曲が収められており、『父』にはサイがフィーチャリングとして参加した。その後、サイが2006年に自身のスペシャルアルバム『Remake & Mix 18番』に歌唱バージョンを収録したことで、大衆に広く浸透することとなった。
興味深いのは、イ・スンギとサイの関係が単なる先輩後輩を超え、イ・スンギのデビュー当時の音楽と深く結びついている点だ。サイはイ・スンギの1集プロデューサーとして参加し、『僕の女だから』をはじめとする複数の楽曲の制作に関与。イ・スンギの初期の音楽的色彩を形作る過程において、サイの存在感は極めて大きかった。
特に「父」という楽曲は、世代を超えて共感を呼ぶ家族の物語を内包している点で、イ・スンギにとっても格別な意味を持つ。デビュー当時は親の心を子の視点から見つめる歌であったが、時が流れ、実際に二人の子供を育てる父親となったイ・スンギにとっては、同じ歌詞が全く異なる重みを持って迫ってくるのだ。
イ・スンギもまた、今回のステージを準備するなかで感情の変化を実感したという。「サイ兄さんが、どうしてこんなに切ない歌詞を書いたのだろう」と語り、練習しながら胸がいっぱいになったと打ち明けた。20代前半の新人として歌った曲を、40代の父親となって再び向き合うことで、当時では気づけなかった歌詞の意味が新たに響いたものと解釈される。
楽曲の持ち主が誰かという単純な問いを超え、「父」の経歴自体が韓国大衆音楽における興味深い事例となっている。ある歌手が自身のアルバムに収録した曲が、別の歌手の声を通じて再誕し、原曲以上に広く知られるケースは少なくないが、「父」は二人の音楽的な縁まで絡み合っている点でより特別だ。
サイが歌う「父」が広く知れ渡るにつれ、イ・スンギの1集収録曲である事実は相対的に影を潜めていた。しかし、今回の『Immortal Songs』でのステージは、その長い音楽的な系譜を再び呼び起こした。イ・スンギが自身の過去を回顧すると同時に、サイから受け取った曲を再び自身の声で歌うことで、一種の音楽的な原点回帰が果たされたといえる。
ステージのパートナーにMad Clownを選んだことも注目に値する。イ・スンギの感性的なボーカルとMad Clownのラップが融合することで、原曲の持つ家族の物語に異なる質感の感情が加わり、ソロでの歌唱とはまた異なる物語が紡ぎ出された。イ・スンギは、自身のラップが「黒歴史」になりかねないと冗談を飛ばしながら、Mad Clownの助けを借りたと語り、ステージへの期待感を高めた。
イ・スンギの私生活もまた、この歌への感情をより深いものにしている。2004年に『蛾の夢』でデビューした彼は、『僕の女だから』や『削除』、『元に戻す』などで歌手としての地位を確立。その後、ドラマやバラエティでも活躍し、代表的なマルチエンターテイナーとしての地位を築いた。
家庭生活においても、大きな月日が流れた。イ・スンギは俳優のイ・ダインと2023年に結婚した後、昨年第一子となる娘を授かり、今年7月には第二子も迎え、二児の父となった。デビュー当時、家族を歌っていた青年が、実際に家庭を支える父親となって同じ歌を歌うという事実は、今回のステージに深い時間性を与えている。
結局のところ、「父」はイ・スンギにとって単なる旧譜ではない。サイとの音楽的な縁から始まったデビュー時の記憶が、時を経て自身の家族や両親、そして自身が父親となった現実へと重なり合った楽曲なのだ。
2004年のイ・スンギにとってデビューアルバムの収録曲であった「父」は、2026年には人生の経験を経て再び向き合う歌となった。大衆にサイの代表曲として記憶されていた歌が、再びイ・スンギの声で蘇った瞬間、その曲には20数年という歳月と、一人の人生がそのまま重ね合わされたのである。
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