BTSのグラミー賞ボイコット表明を受け、公式サイトから動画消失。「報復措置」との疑念広がる
BTSがグラミー賞へのノミネート拒否を表明した直後、公式サイトから「Dynamite」などの代表的なステージ映像が消失。「報復ではないか」とファンから批判の声が上がっています。
BTSを巡るグラミー賞との緊張感が、新たな論争へと発展している。BTSが来年のグラミー賞へのノミネート拒否の意思を明らかにした直後、グラミー賞の公式サイトからBTSの代表的な授賞式ステージ映像が消えたことで、一部のファンの間では「報復的な措置ではないか」という疑惑が浮上している。

ただし、グラミー側は現在まで動画の削除に関する公式な見解を出しておらず、論争は依然として続いている。
■消えた「Dynamite」と「Butter」、ファンは「歴史まで消せるのか」
2日時点で、グラミー公式サイトではBTSが2021年に披露した「Dynamite」と2022年に公開した「Butter」のステージ映像を確認することができない状態だ。
これら2つのステージは、BTSがグラミーの舞台で見せた代表的な瞬間として評価されている。特に「Dynamite」のパフォーマンスは、コロナ19パンデミックにより米現地でのステージが困難な状況下でも、ソウルの様々な空間を活用して完成させた独創的なステージとして大きな話題を呼んだ。
「Butter」のステージも、スパイ映画のようなコンセプトと華やかなパフォーマンスでグローバルなファンから高い評価を受け、BTSのグラミーでの活動を象徴する場面として残っている。
しかし、該当する映像はグラミーのホームページからは削除されているものの、BTSの公式YouTubeチャンネルでは依然として確認可能であることが分かっている。
ファンは削除のタイミングに注目している。BTSがグラミーへのノミネート拒否を宣言した直後に映像が消えたという点からだ。
SNSでは「ホームページから削除することはできても、BTSが作った歴史を消すことはできない」「グラミーが自らその影響力を証明した」「批判を受け入れる方法がこれなのか」といった反応が続いている。
■BTSのグラミー拒否の理由「音楽は言語や地域で分かれない」
論争の始まりは、BTSによるグラミーへのノミネート拒否宣言だった。
BTSのメンバー7人は先月29日、共同名義の声明を通じて第69回グラミー賞に作品を提出しないことを明らかにした。
彼らは「音楽が地域や言語によって区分されるのではなく、音楽そのものとして聞こえ、愛されることを願う」という趣旨のメッセージを伝え、事実上、グラミーの新しい基準に対して問題を提起した。
直接的な批判表現は控えたものの、音楽を言語圏ごとに分類する方式がグローバルな音楽市場の流れに合っていないという問題意識を露わにしたのだ。
論争となったのは、レコーディング・アカデミーが新たに設けた「ベスト・アジアン・ポップ・ミュージック・パフォーマンス」部門だ。
当該部門はK-POP、J-POP、C-POPなどアジア圏の音楽を対象としており、一部のアジア言語が含まれる楽曲をノミネート基準としている。
一部では、英語中心に制作されたBTSの新しいアルバム「ARIRANG」を事実上排除するための規定ではないかという批判が上がった。
これに対し、レコーディング・アカデミーは「アジア・ポップ音楽の成長と多様性を反映するための新しい試みであり、特定のアーティストを狙ったものではない」と釈明した。
■「ホワイト・グラミー」論争の歴史…BTSが投げかけた不快な問い
グラミーは長年、世界最高権威の音楽授賞式として評価されてきた。
しかし同時に、米国中心の音楽産業構造や、特定のジャンル・人種を中心とした受賞傾向により、絶えず批判を受けてきた。
特に非英語圏のアーティストや黒人ミュージシャンが、その影響力に見合った十分な評価を得られていないという指摘が続き、「ホワイト・グラミー」という批判も登場した。
BTSもまた、世界的な影響力と記録にもかかわらず、グラミーとは縁を結べていない。ノミネートは何度も受けているが、受賞には至っていない。
これは単なる賞一つの問題ではなく、グローバルな音楽市場において非英語圏のアーティストをどのように捉えるかという、より大きな問いへと繋がってきた。
■削除か整理か…分かれる解釈
もちろん、BTSファンの主張のように、必ずしも報復だと断定することはできない。
一部では、グラミーのホームページが過去の公演映像を整理したり再編したりする過程で、他のアーティストの映像も一緒に削除された可能性があるという意見も出ている。
実際にオンラインコミュニティでは、BTSだけでなく他の歌手の過去の公演映像も一部消えているという意見も上がっている。
結局のところ、核心は削除そのものよりも、その時期と文脈にある。BTSのノミネート拒否宣言の直後に代表的なステージが消えたという点で、ファンが疑問を抱くのは自然なことだが、グラミーが明確な説明を行わない限り、論争は簡単に収束しない見通しだ。
今回の事態は、単なる映像削除の論争を超え、世界の音楽産業の中心を自任してきたグラミーが、変化するグローバルな音楽環境とどのように共存していくのかを問う出来事となっている。
BTSはすでにグラミーの舞台に立ち、世界に向けて自分たちの音楽を証明してきた。今、残された問いは一つだ。
グラミーがBTSを評価する時代なのか、それともBTSのようなアーティストたちのためにグラミーが変化しなければならない時代なのか。